親子の絆、兄弟の絆、夫婦の絆…
いろいろな絆が、ある。
中でも、やはり血縁の絆は本当に強いものなのではないだろうか。
一生背負っていく性(さが)でもある。
その絆は強く、とても強く、人生にも影響を及ぼすことがあるのだ。
この本を読んで、絆とは悪いものじゃない、
逆にとても素敵なものだと思えた。
また一つ好きな言葉が増えた。
最初に本の帯を読んで、しまったな、と思った。
帯にはこの本のキーポイントとなるあらすじが書かれていた。
そうなるとなんとなく先が読めてしまう。
ぐいぐい引っぱっていく東野圭吾の作風が好きで、
息つかせず、この先どうなるの?というような展開を毎回楽しみにしている。
ちょっとおもしろみが減ってしまう。
そうは言っても、やはり物語に引き込んでいく作風はすごい。
今回もどんどん物語の中に、そして作中人物に同化しながら読み進めた。
500ページ弱の長編であるが、長くは少しも感じなかった。
この本の最初の部分は家で読んだ。
幼い兄妹が家を抜け出して流星を見に行くシーン、
両親が惨殺され、施設に入り、数年後流星に復讐を誓うシーン。
筆致は淡々としていながら、ちょっとした心の動きを微妙に表現し、感情移入させられ、
いつの間にか涙をながさずにはいられない。
功一がそういった時、後ろの襖がすっと開いた。静奈が立っていった。
「起きたのか」功一は訊いた。
目を泣きはらした静奈が功一に抱きついてきた。
「シー、かたきとる。父さんと母さんを殺したやつ、シーが殺してやる」
功一は妹の小さな背中を撫でた。
「そうだな。もし犯人がわかったら、俺たち三人で殺そうぜ」
物語の中盤は主に外で読んだ。
マクドに入り、コーヒーを飲みながら、読み進めた。
どんどん読み進めた。
読み進めずにはいられなかった。
ところどころこみ上げてくるものがあった。
ガマンした。
ボクにも両親がおり、兄弟がいる。
母は他界したが、あとは健在だ。
そして何より自分の妻と子どもたちがいる。
強い絆をもったボクの家族だ。
だから兄妹たちが強い絆で結ばれているのはわかる。
両親を殺されて、天涯孤独になった兄妹だからこそ逆に強くなった絆。
こういう言い方は失礼だが、その絆は美しくも感じてしまう。
いよいよ物語のクライマックスにさしかかったとき、
さすがに外では読めないと思った。
絶対に泣いてしまう自信があった。
これまでの東野圭吾の作品を読んだ感想は、
「東野圭吾は最後まで読まなければ何があるかわからない」
そして必ず最後に感動を与えてくれるのだ。
この本も実際そうなった。
正直言って、どんでん返しの真実はこれまでの作品に比べ若干物足りなくもあった。
最後の締めもなんとなく想像できたものではあった。
けど、やはり涙は止まらなかった。
満足感はあった。
「父ちゃん、泣いた?」
子どもたちに聞かれた。少し恥ずかしかった。
小説を読んで泣くのはもう慣れっこだが、やはり気恥ずかしい部分もある。
それは素敵なことなのだと思うのだけど。
以前読んだ伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』でも、主人公はある俳優さんをイメージしたのだが、
この物語でも静奈にはある女性(女優?)がずっと思い浮かんでいた。
想像を膨らませながら読むのが好きなので、リアルな姿を思い浮かべるのは
あまり本意ではないのだが、静奈はスーッと自然に思い浮かんでしまった。
この本も映像化されるかもしれないが、そのときどんな配役になるのか、
少し楽しみではある。
きっと映像化されたものは見ないと思うけどね。
東野圭吾の書く物語世界が、やはりボクは好きなのだ。















TB、コメントありがとうございます。
ご自身の家族と重ね合わせて読まれたら、感動もひとしおでしょうね。
本の感想を尋ねてくれるお子さんたち(サッカーを見に行かれてましたね?)との仲の良さが、とっても素敵です。
三兄妹の強い繋がり、思いやりが物語の軸になってて、久しぶりに東野さんらしい作品でした。
私もこの本のレビューを書いています。よかったら読んでみてください。
家族や兄妹が出てくる話っていうのは、ついつい自分の家族と重ね合わせてしまいます。
最近は親の視点で読んでしまうことも多くて…。
いやぁ本の感想というか、子どもたちは父親が泣くのを面白がってるようで(・・;)
うちの子たちも、大きくなってもこの3兄妹のように、絆で結ばれていてくれたらなぁ
そう思いました。
はじめまして。コメントありがとうございます。
東野圭吾は初期の頃から友人の間で名前を聞いてたのですが、
本格的に読み出したのはここ数年です。
いい作品にも出会えて、今度はどんなものを書いてくれるだろう、と楽しみにしています。
家族の情愛に関するものには、いつもガツンとやられてしまいます。
この作品も最初からもうやばくて…^^;