2006年05月03日

「エンキョリレンアイ」小手鞠るい

久しぶりにピュアな恋愛小説を読んだ気がした。



絵に描いたようなステキな出会い。
キセキ。
強い想い…

最初の出会いから、最後の出会いまで13年間、
一気に最後まで読んでしまう。

各章の最後の文章が、ココロの琴線を揺らす。
 
一点の曇りもない声であの人はそう言い、受話器は置かれた。その瞬間わたしは、真夜中の片すみに取り残された、ひとりぼっちの深海魚になった。

わたしの唇に、あのひとの温かな唇が触れた、その刹那。
それは、わたしの中でもうひとりのわたしが生まれ、わたしのもうひとつの人生がはじまった瞬間だった。

アイシテル
トオクハナレテイテモ
ワタシタチハ
ツナガッテイル

それはわたしから、わたしへのメッセージだった。
宇宙の彼方を彷徨う「エンキョリレンアイ」という名の惑星。
そこに棲んでいるもうひとりのわたしに、地上から、過去と未来をつなぐ中継地点から、わたしは来る日も来る日も、信号を発信し続けた。


東京とニューヨーク。
距離と時間の離れたエンキョリレンアイ。

時差のある二人をつなぐのは、主にパソコンのメールだ。
ストーリーは、そして愛の、信頼の深まりは、メールの文面で綴られていく。

コトバを使ったコミュニケーション。
往復に時間のかかる、双方向のコミュニケーション。

相手が返してくれなかったら、それは不完全なコミュニケーションとなってしまう。

通じる思い、通じない想い。
今すぐ話したい、けど話せない。

もどかしいエンキョリレンアイ。

不完全なコミュニケーションが引き起こす悲劇。
そして空白の時間。

しかし、純粋に二人の思いはココロの底で継続している。

アイシテル
トオクハナレテイテモ
ワタシタチハ
ツナガッテイル


空白の時間を二人はこれから埋めていくのだろう。拍手。


携帯を誰でももっていて、いつでも連絡できる今とは違った頃の物語。
ボクの大好きなTVドラマの「愛していると言ってくれ」を思い出した。

このドラマでもFAXや手紙が重要なコミュニケーションのツールとして使われていた。
そこには、声で伝えるのとは違った、もどかしい分だけせつなく強い思い
こめらてている、そんな気がした。

愛していると言ってくれから、ボクの好きな手紙。

「あの時、涙を流して、ぼくを分かりたいと言ってくれた、君に応えたいと思っています。
もしかしたら、一番、苦しいときを、ぼくたちは迎えたのかもしれないけれど、それでも、やはり、乗り越えていけると思っています。
それでも、やはり、がんばれるんだと、ぼくは思います。」

「あなたが1995年の9月に書いた手紙を私は、何度も何度も読み返しています。
遅れて私の元に届いたこの手紙は、この先、何年も私を支え続けるでしょう。

この先、何が起きても、どれだけ時が流れても、私の心のベストテン第一位は、1995年の夏に、あなたと出会ったことです。」


………

もう恋愛のせつない想いを忘れかけている。
困ったものだ。

ボクも古いエンキョリレンアイ経験者。
手紙でもどかしい気持ちを綴ったこともある。

あの頃の気持ちを、
少し、思い出した。

posted by だのん at 08:28 | Comment(3) | TrackBack(1) | 本読んだ






この記事へのコメント

おはよう〜(^o^)/

きゃぁ〜(/o\)
だのんさんも遠距離恋愛経験者?

「愛してると云ってくれ」は私も大好きでした。
本も持っているよ。
もう10年以上も昔のドラマなんだよね〜。

手紙も豊悦と常盤の声で、思い出せる〜 (>_<)

切ない想い。大事に心の引き出しにしまっておこう〜


Posted by あぷてぃ at 2006年05月06日 08:45
★あぷてぃさん
エンレン経験者ですよ〜、ボク。
え〜と、約3年かな。
長かったような、早かったような、です。
ちなみに今の奥さんですよ〜

「愛していると言ってくれ」あぷてぃさんも好きなんですね!
ナカマ(*^^)人(^^*)ナカマ
ボクも本も持ってます。
ここだけの話ですがDVD-BOXも狙ってます(妻に内緒)
いい話でしたよね〜。最終回は涙しました。
影響受けて、井の頭公園にも遊びにいきました!

せつない重い、じゃなくて想いは、大事にしないとねっ!
貴重な宝物です。
Posted by だのん at 2006年05月06日 18:33
恋愛の思い出は美化されるけど切ないのはそのまま。

感じするんですよね・・・。
というか、切なかった・・・。
しかも読後にいろいろ考えてしまうような作品が
小手鞠さんには多い気がします。

他の作品の感想とかも読もうと思って、
いろんなサイトの記事とかを見ていたら、
http://www.birthday-energy.co.jp/
で小手鞠さんを論じてる記事を見つけました。

「ざわめくような強靱な遊び心」が影響して、どんな作品が
今後生まれてくるのか、いろんな意味で楽しみです。
Posted by 晴代 at 2013年07月04日 22:57
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/17328609

この記事へのトラックバック

「エンキョリレンアイ」
Excerpt: 「エンキョリレンアイ」    小手鞠 るい:著    世界文化社/2006.3.2/1500円 13年前の春、ふたりは京都駅近くの書店で出会い、 優しく切ない恋が始..
Weblog: 月灯りの舞
Tracked: 2007-05-11 11:58

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。