2009年06月13日

『「R25」のつくりかた』 藤井大輔

R25というフリーマガジンは首都圏の方ならご存じだと思う。

このR25はリクルートの発行しているフリーマガジンなのだが、それを企画からテスト発行、
そして定着させた元編集長の著書がこの『「R25」のつくりかた』だ。
もともとこの成功したビジネスについて著者がおこなった講演内容をベースに書かれたものなので、非常にテンポがよく読みやすい内容となっている。
だが今となっては成功したビジネスモデルとして語られるR25も、
さまざまな試行や苦労の末の産物なのだということがよ〜く分かった。

あまりこのブログではビジネス書のレビューは書かないが、たまにはいいか、ということで載せてみる。



「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)
「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)藤井 大輔

日本経済新聞出版社 2009-02
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「R25」はM1層をターゲットに作られているフリーマガジンである。
M1層とは、マーケティング用語でいう20〜34歳の男性のこと。
企画開始当時、この世代は、購買意欲に乏しく、活字にあまりふれたがらない、町で配っているティッシュさえも受け取らない、という固定概念をもっていたと著者はいう。
そのような世代に、100万部のフリーマガジンを提供する…。
当時売れていた雑誌でも数万部という状況。
99.9%不可能なプロジェクトだと思ったと著者はいう。
けどいろいろなM1層の人たちにグループインタビューを何度も繰り返して本音を探っていくとその固定概念はことごとく間違っていることがわかった。
M1層は活字を、新聞を読みたいと思っているし、ニュースにも敏感だ。
だがそのニュースに至る過程がわからない。そこに苦みを感じていた。
それならそこをつなげてあげるものをつくればいいんじゃないかと。
そうして生まれたのが「R25」なのである。

「R25」はそれまでの通説にはとらわれないことを次々とやっていく。
それは単なる思い付きではなくて、常にM1層の求めていること、だけどこれまでどこのメディアもやっていなかったこと、それを大胆にやったまでのこと。
さらにフリーマガジンという特性上、収入源は広告のみになるが、ここでも、読者・作り手・広告主の三者がいびつなく正三角形を作るように気を使った紙面づくりをしたことが結果的に成功に結び付いている。


著者は本書についてあとがきで述べている。

本書はR25のビジネスを最新の経営数字を交えて新規事業運営の側面から解説するというよりは、その根幹をなす編集部分、マーケティングや読者インサイト部分に焦点を置いて書きました。物足りなさを感じた方もいらっしゃるかと思いますが、R25ビジネスのまさにベースとなる部分です。皆様のビジネスのお役に立てるところが、きっとあると信じています。

確かにその通りだ。
ターゲットを決め、そのニーズをくみ取り、実現化していく。
ときにはターゲットの憑依した「イタコ」化してさえ、ニーズにこたえ、あるいは半歩先をいくものを提供してあげる。
これこそが新規事業を企画していくうえで大切なことなんだ、と思う。
非常に参考になるとともに、モチベーションのあがる新書だった。


最後に。
企画当初、なぜM1?なぜ100万部?と悩む著者に企画案を提示した若者が言った言葉を引用しよう。

「だって、空いてるじゃないですか」
活字を読まないからこそ、大きな潜在可能性が広がっている。M1層に向けたマスメディアがないからこそ、作る価値がある。空いているところに行くからこそ、独占もできる。それがすべてだというのです。

シンプルな答えだが、これこそまさにブルーオーシャン。
ボクもブルーオーシャンを見つけてなんとか事業化したい、そんな思いがふつふつとわいてきた。
タグ:ビジネス
posted by だのん at 11:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本読んだ






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